第40話 ページ40
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「続いては、お馴染みのあのグループ!」
「では、どうぞ!」
悲鳴に近いくらい大きな歓声が上がる。
スクリーンを見ると"アバンティーズ"の文字。
心臓がドキドキと音を立てて、体に力が入る。ステージを凝視していると周りの音も全く耳に入ってこない。
普段近くで見ている人がステージに立っている。こんなにも不思議で、なんだか遠くに行ってしまった感じがして、複雑な気持ちになった。
「エイジーっ」
たくさんの女の子たちが彼の名前を呼ぶ。なんだか恥ずかしくって、彼女たちと同じようには叫んだりできないけれど。
気づいて、そんな気持ちを込めて彼を見つめてみた。
「……っ、」
目が合った。心臓がどきんと音を立てる。
エイジは私を見て少し驚いた顔をして、一瞬目を逸らした。
そのあとまたこっちを見て、少し笑って小さく手を振ってくれた。
一瞬のことなのに、こんなに嬉しい。
「えいちゃんこっちに手振ってくれたー!」
「やばい!かっこいい!」
周りの女の子たちがざわついている。
「ごめんね、あいつは私に手を振ったんだよ」なんて口が裂けても言えないけれど、少しの満足感と、罪悪感。
ステージに立つあいつはなんだかいつもよりかっこよくて、それはもちろんそらくん、みっくん、りっくんも同じだ。
アバンティーズの出番が終わってもなんだかそわそわが止まらなくなって、内容も頭に入って来なかった。
フェスも無事終わり、会場からみんなが一斉に出て行く。その流れに身を任せていると、クイと袖を引かれて人混みから連れ出された。
「Aさん…ですよね?」
「は、はい」
そこにいたのは見知らぬ女性。なんで名前知ってるんですか、とか聞く暇もなく「行きましょう!みんな待ってます!」と腕を引いて走り出した。
「え!?何ですか!!」
「頼まれてるんです!付いてきてください!」
「なになになに怖い!」
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あや(プロフ) - ぜひ!ぜひ!ぜひ!続きを!!更新待ってます!! (2018年8月5日 22時) (レス) id: 5116ee690c (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - ☆ルナ☆さん» あと少しですがお付き合いください!(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 23時) (レス) id: fd69086671 (このIDを非表示/違反報告)
☆ルナ☆(プロフ) - キュンキュン/////(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 0時) (レス) id: 915f053575 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - Cさん» コメントありがとうございます!!これからもキュンを追求していきます…! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 冬春@アバ小説更新中さん» こっちも嬉しいです…!これからもお楽しみください〜! (2017年11月24日 17時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タバタ | 作成日時:2017年11月6日 15時