第25話 ページ25
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大雪情報のニュースを見ながらこたつでみかんを食べる。皆さん大変だなあと思いつつ、ぬくぬくとしていられる至福の時。
そんなとき、鳴り響いたインターホンの音。居留守を使おうかと思ったけれど、異様なほどうるさいその音に我慢できなくて、勢いよくドアを開けた。
「やっほー!」
頭や肩に雪を積もらせてそこに立っていたのはエイジ。そのあとも玄関で格闘したが結局私が折れて、とりあえず入れてあげることになった。
「…なんなの急に」
「ニュース見てんじゃん。大雪」
「いや知ってます。なんでここにいんの」
「交通手段がなかったから」
「ちょうど近くで飲んでたんだよねー」そう言いながらこたつに入り、私の食べかけのみかんを口に放り込むエイジ。本当に自由なやつ。
「だから泊めてくださーーい!」
「ふざけてんの?」
飲んでいたせいかいつもよりテンション高めのエイジにイラッとしつつ、ここで追い出すわけにもいかず。貸しを作っておけば、あの酔っ払い事件のことも忘れてくれるかもしれない。そんな淡い期待とともに。
「風呂入っていい?」
「はいはい。これ兄ちゃんのやつ。着替え」
「おー、サンキュ。お兄さんいるんだ」
「…下着無いけど。買ってくる?」
「や、寒いからいいや。裏返してもっかい履く」
「……ああそう」
シャワーの音が聞こえてきて、今エイジがうちでシャワー浴びてるんだとか、どこで寝るんだろうとか考えているとなんだかドキドキしてしまって、きのうのそらくんの言葉を思い出す。
『エイジ、好きなんでしょ?』
「…………ないない!!ありえないし!!」
またぶんぶんと頭を振りながらみかんを爆食いしていると、指先が真っ黄色になってしまった。
「どんだけ食ってんの」
タオルで頭を拭きながらエイジが出てきた。途端に熱くなる顔。
ああ、だめだ。これじゃまるで、本当にエイジのことが好きみたいじゃん。
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あや(プロフ) - ぜひ!ぜひ!ぜひ!続きを!!更新待ってます!! (2018年8月5日 22時) (レス) id: 5116ee690c (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - ☆ルナ☆さん» あと少しですがお付き合いください!(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 23時) (レス) id: fd69086671 (このIDを非表示/違反報告)
☆ルナ☆(プロフ) - キュンキュン/////(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 0時) (レス) id: 915f053575 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - Cさん» コメントありがとうございます!!これからもキュンを追求していきます…! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 冬春@アバ小説更新中さん» こっちも嬉しいです…!これからもお楽しみください〜! (2017年11月24日 17時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タバタ | 作成日時:2017年11月6日 15時