【青葉城西】皆、忘れてんだろ？僕はドＳだ。【男主】

ドS24 ページ25

パシンッ

「！？」

「いい加減にしなさいよあんた…。」

そう言って僕の頬を平手打ちしたのは春日野有栖だった。

「っ。」

「そんなっ！思ってもないこと言って！！
どれだけバレー部の皆が、あんたを思ってたか知りもしないでっ！！」

「っんで、なんでお前に言われなきゃ何ねーんだよ！」

「あんたが何もわかってないからでしょッ！？」

そう、春日野有栖は訴えるように僕に叫ぶ。
そして、

「なんで…お前が泣いてんだよ…。」

「泣いて、ないわよ。(ｸﾞｽｯ」

僕が、悪いみたいじゃないか。
僕1人が、悪者みたいじゃないか。

「っ、僕はっ」







「バレーが好きだ」



まだ全然伝えてない。
僕の言いたい事。

「僕は、

青葉城西高校男子バレー部に嫌いな奴は

1人も居ない。」

「「！！」」

「バレー部の皆を恨んだなんて、復讐のためなんて嘘だ。
ただ、僕のことを、みんなに必要として欲しかった、僕を見て欲しかった。」

「Aちゃん…」

「僕は、誰かに認めてもらいたかった。
僕の存在を、その価値を、誰かに求めてたんだよ…

こんな理由で、バレー部の皆を振り回したことは、悪かったと思ってるよ…。

ホントに、悪かった。」

「…よく言った。」

「翼…」

「お前は、ほんとに不器用だな。」

そう言って翼は笑った。

「…るせ。」

「Aちゃーん！！」

及川が僕に突っ込んでくる。

「うわぁっ！？」

「Aちゃん、ごめんね、ホントにごめんね。」

及川は泣きながら言う。

だけど、その顔は笑っていた。

「A、ホントに、許されるなんて思ってない。
けど、嬉しかった。」

「岩泉…」

伝わった。

ちゃんと、自分の言葉で伝えられたんだ。

「ありがとう。」

視界が、ぼやける。


「僕も、ありがとう。」


僕の目からは雫が零れ落ちた。

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