孤独な道化師

11.決裂…？ ページ14

A side＿



チーターのケータイが鳴った。

画面を覗くと、それはボスからだった。




＿＿どうして、今？

交渉時間をボスは知っている。


ボスだったらトラかチーターが交渉についてくる事くらい分かってたはずだ。

緊急事態なら、トラとチーターの上司である私に電話をかける。


なのになんで、今、チーターのスマホに、電話をしてきた？



なんとなく。なんとなく、嫌な予感がした。


だからチーターに遠くで話す様に指図した。

でも、それは間違っていたみたい。



最終確認を終えて、シンキングタイムに入ろうと思ったら、ふと嫌な所を突かれた。




ﾚｵ「お前のとこの頭(アタマ)は何が目的だ？
お前が俺のアジトに居てなんの利がある？」




そんなの、知らない。

私はボスに利用されてるだけ。


ボスが私に教えてくれるはずがない。

私はそんなものを探ろうとも思わない。



あぁ、こんなの、どう対処すれば良いんだ。



ボスは、対処法については何も教えてくれなかった。

基本の知識を分析して、自分で対処法を見つけるのが私のやり方だった。


でも、私は目的なんてものを自分で掲げた事は無い。

私は、ずっと誰かの目的を果たす為に動いてきた。


だから、“目的”という基本知識を私は知らない。



目的を聞かれて上手く対処するなんて、私にはできっこ無いんだよ！




ﾚｵ「言えないのか？それとも、お前も知らないのか？」




私も、知らないよ…

でもそんな事は言えない。

言える筈が無いんだ。



そんな事言ったら、自分で

“私はボスに利用されているだけだから”

と答えている様なものじゃないか…！







＿＿私は成す術も無く、レオンの顔を伺った。




…え？



なんで…？






なんで貴方が顔を歪ませるの？



困ってるのは、私だよ、？

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