優等生は恋を知ったようで。【朝比奈まふゆ】 (ページ23)

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第十七話『皆で』ページ23

、
A『っと。こんな感じかな。』

想像してなかったほどの大事な話に、私も奏達も何も声を発さず沈黙が続く

バーチャルシンガー達も何も言わず、黙っている。

沈黙を破ったのはAだった。

A『ごめんね、しんみりした話で。忘れて。』

絵名『いや、ここまで話しといて忘れられるわけないでしょ。』

Aは『ははは、そっか。』と笑っているが私には作り笑いにしか見えなかったし、奏達も心配そうな表情を浮かべている。

A『そりゃ皆最後には死が待っているし、周りの人が皆死んじゃう！なんてことなかなかないしね。』

Aは『でも』と付け足す

A『やっぱり怖いんだ。周りの大切な人達を失うのが。皆、俺のことを置いていきそうで。だから、俺は』

“『25時、ナイトコードで。』を抜けなきゃいけない。”

まふゆ『は...？』

奏『え...？』

絵名『ちょっと、どう言うことよ！！』

瑞希『ちょ、落ち着いて絵名！A、どう言うこと？』

A『...そのままの意味だよ。俺はここにいちゃいけない。俺には価値が無いから。』

まふゆ『...そんなこと無い！』

A『！？』

考えるより先に声が出ていた

まふゆ『自分に価値が無いって？そんなわけ無い。Aは自分の歌で皆に明日を生きる希望を与えてる。Aを必要としている人はいる。少なくとも私達は、Aを必要としてる。そうでしょ、皆。』

A『え...』

奏達に呼び掛けると皆深く頷いた

奏『うん、私達はAを必要としてる。それに私は私の曲でAも救いたい。』

絵名『まあ、あんたには世話になったこと何回もあったし。それに、...これからも絵のアドバイスしてほしいし。』

瑞希『Aさえ良ければ、ボクは皆で曲作り続けたいな。』

A『み、んな...』

Aはうつむいてしまった

ｸﾞｽｯ

まふゆ『A...？大丈夫...？』

心配して声をかけたら

A『ｳｯｸﾞｽｯ(泣)』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

Aは泣いていた