貴方の隣で ページ49
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「あーあ、明日から仕事かぁ……そうだ、明日マフィアから逃げたことにしよっと」
「ちょっと…」
マフィアの拠点から抜け出した私達は、帰るべき場所へ帰ろうとしていた
夕暮れ時の河川敷は見渡す限りの黄金色で目が眩んだ
「如何かした？」
「あ、いえ。……綺麗だな、と」
知らなかった。こんなに綺麗な空があるなんて
私は沢山のことを知っている心算だが、私が思うより世界は広くて美しいらしい
「あぁ然うだね、とても綺麗だ。君の瞳みたいで」
足を止めた太宰さんは此方に向き直り足を止めた。
夕日を受けて微笑む彼に影が落ちる
その茶色の目には不思議な引力でもあるのか、いつも引き込まれてしまう。逸らそうと思っても縫い留めてくる
私が必死になって探したのはこの瞳だ。
光があるようで底は深い深淵のよう、
(……この人を理解できる日はきっと来ない)
それが少し、悔しい。
「如何？ちょっとはときめいた？」
「…真逆」
逸らかすのはやめてほしい
私ばかり本気で馬鹿馬鹿しくなる。
貴方だって、私に本気になってほしい
「私、もう子供じゃないですから」
其れを聞くときょとんとした顔した後、彼は笑った
「な、何故笑うんですか」
「くふふ、そうか君はもう大人だと！ッふふ、君ほんとに最高…！」
「何故私は君の居場所が判ったのか、不思議に思わなかったのかい？」
「あ…慥かに…」
彼は行方不明になっていたのだし、私が失踪した事も知らなかっただろう。今思えば不自然だ
「何故ですか？」
「簡単なことさ
───君が私の名前を呼んだから」
「…判らないって顔をしてるね、昔云わなかったかな？"どんなに離れていても、君が私の名を呼べば何処にいたって君を見つけ出す"と」
忘れる訳がなかった
でも、でもそんなの
「非合理的すぎる？」
私は静かに頷いた
「そんな非合理的なことが現実になるくらい、私はすごくて、私は君が大切ってことさ。
安心して、君の不安は全て私が払い除いてみせよう。だからまだ子供でいていいのだよ？」
「あ、顔逸らした。
…おや真っ赤！熟れた林檎より真っ赤だ」
「違ッ、違います
これは…その、夕日！夕日の所為です…！」
「ふふ、それにしては可愛らしい赤だ」
貴方の隣に居られるなら、
子供の儘でいるのも悪くない…かも？
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しじま(プロフ) - しじみさん» はわ…コメントありがとうございます…！！最初しじみ様のお名前拝見した時私の名前と似ていて一瞬困惑しました笑 面白いだなんて…お褒め頂き光栄です、めちゃ励みになります！更新お待たせしてしまう事もあるかと思いますが今後ともよろしくお願いします♡！ (2023年4月6日 12時) (
レス) id: 56a96b1c08 (このIDを非表示/違反報告)
しじみ - めっちゃ面白いです！！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: cb27ff8610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しじま | 作成日時：2023年2月25日 12時
