29、彼らを襲った悲劇 ページ31
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後で判ったことだが、杉本さんは被害者の女性が追っていた汚職の疑いがある政治家が警察内に送ったスパイだったようだ。
杉本さんの罪は許されるものではないが、警察官に憧れる青年の気持ちを利用し自分の地位を守ろうとするその政治家の心の汚さを知ると、杉本さんに同情するほかなかった
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「僕は彼女に警告したんです……このままでは貴女の身が危険だと」
「しかし彼女は…」
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昨日の明朝、造船所跡地にて
「山際さん、相手は本気です！」
「ではこちらも本気になるだけよ、馴染みの検察に渡りをつけたわ。後は証拠を渡すだけ。……杉本くん…？」
彼は拳銃を構えた
「証拠品を渡してください、もし僕が失敗したら次は殺し屋が貴女を狙う……その前に…！」
「銃を下ろしなさい、貴方に私は撃てない」
震える杉本さんと打って変わって、山際さんは冷静であったそうだ。
「その通りだ。僕には撃てない……だから
……脅し方を変える！！」
「…！やめなさい！！」
ドンｯ
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彼は銃口を自らの頭に当て、トリガーを引こうとした
その瞬間、山際さんが腕を伸ばし銃の向きを変えた。銃弾は山際さんの胸を貫く
「ねぇ杉本君」
「彼女の最後の台詞を中ててみせようか
『ごめんなさい』
───どうだい？」
杉本さんは下を向いた。声は震えていた
「………本当に、凡てお見通しなのですね…」
✲
真実は受け入れ難く、残酷なものだった
最後に見せた杉本さんの涙が頭から離れない。あの涙を見れば、彼は唯悪い人間であったとは云えない。彼は善い人間だったのだ。尤も殺しをしたことに変わりはないが
「乱歩さんすごかったですね！真逆全部中てちゃうなんて『超推理』本当に凄いです」
私たちは取り調べ室を出た
「…そうか、中島君はまだ知らなかったんだっけ。」
「実は江戸川さんは能力者ではないんだよ」
「えっ！？」
「探偵社では珍しい、何の能力も所持しない一般人なの」
予想通り中島君はそのことを知らなかったみたい。彼、探偵社に入ってから驚いてばかりな気がする…
「Aちゃんの云う通りだよ。乱歩さん本人は能力を使ってる心算みたいだけど」
「じゃあどうして…判ったんですか！？」
「それはね、証拠品や杉本さんの言葉からある程度判ったよ」
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しじま(プロフ) - しじみさん» はわ…コメントありがとうございます…！！最初しじみ様のお名前拝見した時私の名前と似ていて一瞬困惑しました笑 面白いだなんて…お褒め頂き光栄です、めちゃ励みになります！更新お待たせしてしまう事もあるかと思いますが今後ともよろしくお願いします♡！ (2023年4月6日 12時) (
レス) id: 56a96b1c08 (このIDを非表示/違反報告)
しじみ - めっちゃ面白いです！！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: cb27ff8610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しじま | 作成日時：2023年2月25日 12時
