28、犯人の罪 ページ30
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「拳銃貸して」
江戸川さんは杉本巡査に手を差し伸べる
「…ば、莫迦云わないで下さい！一般人に官給の拳銃を渡したりしたら減俸じゃ済みませんよ！！」
然し杉本巡査は応じない
遂にじっと地面を見つめて動かなくなってしまった。不審な動きからして、確定であろう。箕浦さんは信じていないようだけど
「杉本、見せてやれ。それが無実の証明となるのならば俺が許可する」
「…」
またしても杉本巡査は応じなかった
「なぁおい…どうした」
「いくらこの街でも素人が銃弾を補充するのは容易じゃない。官給品の銃であれば尚更」
「何を黙っている杉本」
「彼は考えている最中なのだよ」
「減った三発分の銃弾について、どう言い訳するかをね」
箕浦さんの必死の呼びかけにも彼は応えなかった。
ただ地面を見つめ震えるだけ
明らかに様子がおかしい
震える身体に鞭を打ち腰の銃に手を伸ばしている
そして、顔を見上げた杉本巡査の目と私の目がかち合った
「…マズい！」
「……！！」
私は動けなかった。
突然のことに脳の処理が追いついていなかったのだ
ここで死ぬのかもしれない、そんなことが頭によぎる
「行け敦君！」
「え？」
「止めろ──！！」
バンｯ
箕浦さんの悲痛な叫びが響き渡った
＿
「……？」
目を開けると杉本巡査が中島君に拘束されていた
「大丈夫だったかいAちゃん
君ってば本当に鈍臭いねぇ、私の判断が遅ければ致命傷だったよ」
「はぁ……ありがとうございます。でも鈍臭いは要らないです。いつも貴方は一言多い」
本当に危なかった
鈍臭いことも少し自覚しているので強くは言い返せない。探偵社員であるのに突然のことに対応できないのは如何にかしたい
「逃げても無駄だよ、僕には全てお見通しなのだから。
それに被害者を増やそうってのはいただけないなぁ、しかも相手はいたいけな少女だ。さらに悪行を重ねる気かい？君は自覚するべきだ───」
「自分のしようとしたことを」
江戸川さんが杉本巡査をじっと見つめる
「どうして…バレるはずないのに……」
箕浦さんが杉本巡査の肩に手を置いた。杉本巡査はそんな上司の顔を見て何かに気付いたのか、抵抗することを止め大人しくなった
「続きは職場で聞こう。お前にとっては……元職場になるかも知れんが」
箕浦さんの顔は哀しみとやりきれない悔しさに満ちていた。
＿
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しじま(プロフ) - しじみさん» はわ…コメントありがとうございます…！！最初しじみ様のお名前拝見した時私の名前と似ていて一瞬困惑しました笑 面白いだなんて…お褒め頂き光栄です、めちゃ励みになります！更新お待たせしてしまう事もあるかと思いますが今後ともよろしくお願いします♡！ (2023年4月6日 12時) (
レス) id: 56a96b1c08 (このIDを非表示/違反報告)
しじみ - めっちゃ面白いです！！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: cb27ff8610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しじま | 作成日時：2023年2月25日 12時
