＊トリップをした少女＊【テニプリ】part6

242話*差* ページ3

圧倒的な力の差。

越前「俺を見くびらないでくれる?」

今まで相手に見せてきたそれは、流石越前だという事だろうか。

それとも越前が無理をしているだけか。


それは分からないが少なくとも越前がまだ笑っている事は確実だった。



空気を変える一球？

いや、ほかの人ならそうだった。


しかし越前は……


A「……楽しみだね」

本気でﾃﾆｽを楽しんでいる。

力の差なんて関係ない。

勝つんだ。

そんな言葉が聞こえてきそうな程に越前の顔は楽しそうに笑っている。


普通にしていればそんな顔は見れないだろう。

ﾃﾆｽを楽しい。

そう思うからこそ見れる顔だ。


A「いつか、本気でやりたいよ」

本気で。

テニスを楽しいという事を前提で

テニスを楽しむ為に

本気でテニスをしたい。


そう思った。




越前「分かったから早くすれば？」



だけどその言葉も越前にはなにも届かない。


今の試合に夢中なのだろう。

越前らしい。



A「……行くよ」

そうとだけ言うとキツいｻｰﾌﾞを打ち放った。

そのｻｰﾌﾞは越前の体とは全く別の方角へ飛んでゆく。



越前「結構早いけど……氷帝の鳳さんの方が早いんじゃない」

ｽｶｯﾄｻｰﾌﾞの事だろう。

当たり前だ、そこまで力は出していない。


しかし

鳳を倒した私にそれを言うのは随分無理があるだろう。


何度かそんな珠で点数を取っていく。






1-0


越前「ｻｰﾌﾞ早く」

相変わらず生意気な声が聞こえる。

さっきからｻｰﾌﾞさえ取れてないくせに……よく言うよ。


なんて高くくってたのにさ。



《ﾊﾟｺﾝ》


《ﾊﾟｺﾝ》



ｻｰﾌﾞはまるでこれぐらい余裕だと、普通だと言うように打ち返された。


A「ちょっとはやるじゃん」

だけど僕は点を取られる、そこ自体に嫌悪感を感じるからさ。



絶対に点を取らせたくないんだよね。



そう呟いては越前のｺｰﾄに突き刺すようにﾎﾞｰﾙを打ち付ける。


先程よりも威力の上がったそれに越前が対処出来る筈もなく



《ｽﾊﾟﾝ》



綺麗にﾎﾞｰﾙは決まった。




試合だといっても相手のレベルに合わせて試合を決める。それが僕。


ｷﾐはどこまで僕の力を引き出せるかな？


ねぇ、越前。




―――――
☆試合中☆
・越前

☆味方というか傍観者というか☆
・芥川・柳生・丸井・切原

☆どっちなのかよく分からない人☆
・菊丸
―――――

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