愛され紅一点マンネ . (ページ15)

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AMAs ページ15

SGSide

今日、俺らは韓国のグループとして初めてAMAsに招待された。

車から降りると目の前に広がっているレッドカーペット。

メンバーがぞろぞろと車から降りて、それに続いて俺も降りようとする。

でも席から降りようとしないやつが1人。

「A」

『ユンオッパ……私……』

緊張しているのだろうか。
彼女は座席に手をついて震えている。

「何やってんだよ」

『怖い……緊張するよ……』

「初めてじゃないだろ？」

『でも……』

自分に自信がない、と呟いたA。
何言ってんだ、こいつ。

俺はひとつため息をつくとAの細い手首を握って引いて、車から2人一緒に降りた。

その瞬間カメラのフラッシュ音が響く。

「おい、お前はバカか？」

『え？』

「自分に自信ないなんて言うな。今まで俺たちがついてたろ。もちろんこれからも一緒だよ。だから、もう二度と自信ないなんて言うなよ？」

『ユンオッパ……』

俺の言葉を聞いて安心したのか、笑顔を見せるA。

「それに……」

『？』

「いや、なんでもねぇ。ほら、行くぞ。」

Aの手を引いて俺らは歩きだす。

相変わらずカメラのフラッシュが眩しい。

Aは気づいてないのか？
自分の美しさに。

横に並ぶ綺麗な妹、

いや

女を見て思わず目を奪われる。

歩く度になびくウェーブのかかった長い黒髪。

髪の隙間から覗く鎖骨。

華奢なのに女性らしい身体。

ドレスから伸びた細い手脚。

前髪を掻きあげれば、その綺麗な顔が見える。

いつのまにこんなに成長したのだろうか。

「柄にもなく何思ってんだよ……」

そうだ、いつも見ているから見慣れている。

はず、なのに……

今日の彼女はひどく大人びて見える。

Aに言おうとした言葉の続き

「それに…………

お前はこんなに綺麗なのに」

結局届くことはなく、

ただただ俺の心臓の鼓動がうるさく響いた。