∞虹色の憂鬱∞２ (ページ48)

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「ごめん、柊ちゃん。うち行かなあかん。」
「おん。また後でな。」
奏は同じく後輩の桜井凛香(さくらいりんか)が待つロケ車に急いだ。
このケガをした後輩が奏の代わりに白石に愛の告白をされる役なので、とにかく状況を把握しておきたかった。
幸い彼女のケガは捻挫らしく、骨に異常はないようだった。
念のため、すぐ病院に行くように促す。
撮影を延期するのはスケジュール的に難しいということで、当初の予定通り奏が演じることになった。
「よろしくお願いします。」
衣裳に着替えてスタンバイする。
最初の相手は財前。
滞りなくカットがかかりチェックもＯＫだった。
次は市丸。
なんとなく表情が苦しそうだ。
さっきの財前の言葉を引きずってるのかもしれない。
「隆ちゃん。これ終わったら待っててもらえる？」
軽く動きを合わせながら会話をする。
「俺だけ？」
「うん。隆ちゃんだけに話があるの。」
そこまで言うと彼は察してくれた。