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「うっさいわ。」
「そういうところ、白石くんに見せたらええんちゃう?」
「え?」
「ポンコツな奏って見せたことないやろ?」
「…たしかにないけど。」
「辛いとか寂しいとか言うてみたら?」
「やって信ちゃん忙しいのに、そんな煩わしいことできひんわ。」
「はぁ?煩わしいって白石くんに直接言われたん?」
「いや言われてへん、けど…え、なに?」
財前が呆れた顔でため息を吐く。
「それってさ、白石くんのこと信頼してへんのと一緒ちゃう?」
「そんなことないって。」
「前に白石くんに怒られた気がした。って言うとったやん?あながち間違ってへんと思うで?」
財前は例の電話で、奏に二人が別れ話をした日のことを問いただしていた。
「なんで?」
「白石くん、ほんまは奏に頼って欲しいんやって。」
「そうは思えへんけど。」
「お互いにお互いのこと考え過ぎてるだけやん。もっとシンプルに甘えてみたら?」
「シンプルに?」
「お互いに思ってること言葉にせんと伝わらんし。」
何故か“お互いに”を強調する財前。
彼の言葉は何故か説得力がある。
「うちにできるかな?」
それでも不安な気持ちは隠せなくて、つい財前に意見を求めてしまう。
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作者名:kanade | 作成日時:2020年6月6日 23時