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「ほんま、ええから。じゃあ。」
そう言って二人の前から遠ざかっていく彼の背中は、少し小さくなっていた気がした。
「もう、なんで余計なこと言うんよ。柊ちゃんのあほぉ。」
あっという間に市丸は見えなくなってしまって、奏は隣にいる財前の二の腕をポコポコ叩く。
そして無意識に関西弁に戻っていた。
「俺はほんまのこと言うただけやで?」
「そこは普通、空気読むやろ?まだ本番前なのに、どうすんの?」
「やって、アイツが勝手に嫉妬しとるだけやし。」
「やからって…。」
「もうマルの相手するの、やめとき?その気がないんやったら、ちゃんと言うたらな。厳しいようやけど、早よ言わなマルやって傷つくで?」
「…はい。おっしゃる通りです。」
こうして年下に説教されているアラサーの図ができあがった。
「奏の気持ちを素直に話せばええねんて。」
「恋愛って難しいなぁ。」
「リアルは台本なんかないアドリブだらけやからな。」
「それな。うち、アドリブ苦手やねんて。」
「ほんま、奏は私生活になるとポンコツやなぁ。」
乾いた財前の笑いが奏の記憶を過去へと誘う。

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作者名:kanade | 作成日時:2020年6月6日 23時

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