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そもそも中学生の恋愛など、付き合っているうちに入るかどうかは疑問だが。
財前がアルコのメンバーになる前は、子役同士でよく共演していた。
彼が仕事で忙しくなって、奏が仕事を辞めて自然消滅した記憶が蘇る。
カラオケボックスで再会したときこそ気まずかったが、今では幼なじみのような関係になれた。
奏の中ではそれだけで十分だったのだが、財前は違ったようだ。
「見てるこっちがじれったいねん。最近はマルとか出てくるし。」
何故かイライラしている彼は、あの頃と同じ流し目で奏を見据えた。
「出た、せっかち。」
「ややこしいのが嫌やねんて。」
「柊ちゃんらしい。」
「なぁ、なんで今日はあかんの?」
「まだ頭の中がぐちゃぐちゃで整理する時間が必要かなって思って。」
「じゃあなんで先に別れ話なんかしたん?」
「きっと共有して欲しかったんだと思う。」
「共有かぁ…白石くんの一番苦手なやつやん。」
「こうでもしないと真剣に考えてくれなさそうな気がして。」
「ずいぶん荒療治やんけ。」
財前の方が年下だが、考え方がオトナなので頼りになるため結局話してしまっている。
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作者名:kanade | 作成日時:2020年6月6日 23時