∞虹色の憂鬱∞２ (ページ40)

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「エキストラのみなさんは、こっちに集まってください。監督から簡単に流れの説明しますので。」
「リンちゃんと柚ちゃんは、さっき変更された動き合わせといてね？」
「浅やん、バク宙のスペースこれくらいでいける？」
逐一現場を走り回って(実際そんなに走れないが、気持ち的に走っているらしい)気付いたところにフォローを入れる。
クライアントである財前とも話を詰めたいと思い、彼の姿を探す奏。
さっきまでのフットワークは急に鉛のように重たくなってしまった。
「奏、ちょっとええ？」
そんなときに奏を呼ぶ声。
振り返ると財前が立っていた。
「柊ちゃん。ちょうど良かった。わたしも話したかったの。」
「なんか、かっこええなぁ自分。」
「そんなことないよ。こんな体で迷惑かけちゃってるから、他のところでフォローに入ってるだけ。」
「ほんまに真面目なん変わってへんわ。」
「そぉかな？」
「そうやで。なぁ…ちょっと静かなとこ行かへん？」
「うん。」
そう言って財前は奏をスタジオの外に連れ出した。