今日:9 hit、昨日:7 hit、合計:7,050 hit
小|中|大
12※ ページ19
一通り泣き終えた呂太は、Aとの日々を走馬灯のように思い出していた。
初めて会ったあの日のことも。
彼女を守りたいと思ったあの日のことも。
そして彼女を守れたあの日のことも。
そんなことを考えているうちに、二人の乗ったバイクは駅の案内標識の横を通り過ぎていた。
駅の駐輪場にバイクを停めたAは、人気の少ない高架下まで呂太を連れ出す。
「Aちゃん…どうしたの?」
呂太は戸惑いながらも彼女の後をついていく。
しかし、その距離はいつも以上に離れていた。
薄暗い歩道の中間で立ち止まり、振り向くA。
まだ瞳にうっすらと涙を溜めている呂太を思い切り抱きしめる。
「え…。どうして?」
いきなりの展開に困惑する呂太。
「ねぇ知ってる?ハグをすると、心の荷物が軽くなるんだって。」
「そうなの?」
「うん。今まで呂太くんがいっぱいハグしてくれたから、あたしはすごく助けられたの。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
23人がお気に入り
23人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kanade | 作成日時:2022年10月9日 21時