科捜研の女＊２ (ページ17)

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それからどれくらいの時間がたったのだろうか。

「先生。樹里ちゃんの容態は？」

考え事をしていた早月は我に返り、問いかけてきた声の主に視線を向けた。

「蒲原さん…。」

複雑な表情で蒲原を見つめる早月。

先ほど聞いた音声が脳内でリフレインする。

彼にどう接しようか悩んでいたそのとき、タイミングよく病室のドアが開いた。

「柊木さんの意識が戻りましたよ。どうぞ。」

看護師に促されて早月と蒲原は病室に入った。

そこには点滴の管に繋がれて、天井の一点を見つめている樹里がいた。

「意識は戻りましたが…。」

担当医はそう言って早月に頭部のＭＲＩ画像を見せた。

「転落時のショックで一時的な記憶障害を起こしている可能性がありますね。」

言い淀んでいる担当医の気遣いを無碍にするのは心苦しかったが、隣にいる蒲原に状況を伝えるために敢えて言葉を繋げる早月。

「え？記憶障害？」

「わたしのほうで、どの程度か確認してみます。」

冷静さを欠いている蒲原の言葉をスルーして早月は担当医にそう告げる。

「お願いします。」

担当医は安堵して彼女に任せることに同意した。