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「だって、ずっと苦しそうな顔してるから…。」
「え？」
百合は思わず聞き返してしまった。
容赦なく核心をついてくるケンの言葉に戸惑っているのだ。
彼のチャラさの奥にあるものが垣間見えた気がした。
「本当は一緒に行きたいのかな？って思ったんだけど、違うの？」
「そうなのか？」
ゴウが驚いた顔で百合に視線を向ける。
「…わたしも、まだまだですね。あなたの言うとおりかもしれません。」
あっさりとケンの言葉を認める百合。
師匠の蒼太と離れていたこともあり、ポーカーフェイスの鍛錬をさぼっていたツケが回ってきたのだと悟った。
「かもしれないって…自分のことでしょ？」
「大事な人と戦うのが怖くて、組織の命令に従うフリして逃げてるんです。このままでいいはずないってわかってるんですけどね。」
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作者名：kanade | 作成日時：2021年7月31日 11時
