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「じゃあ誤解は解けたってことで、もういいですよね？」
百合は早々に話を切り上げて、その場を立ち去ろうとした。
「待て。それとこれとは話が別だ。」
しかし、それはホージーに阻まれる。
百合の左手首は彼によってがっしりと掴まれていた。
さすがの百合でも変身していなければ成人男性の腕力にはかなわない。
そして彼に掴まれたことで、左手の力が弱まってきていることに気付かされる。
タイムリミットが迫っているのだ。
「もしかして百合ちゃん、一人で夜道を歩いてたの？」
テツは苦笑いしながら、百合の左手を優しく解放してくれた。
「…はい。」
百合はテツの言葉には素直に反応した。
それは彼の人となりを十分に理解しているからだった。
「それでホージーさんに職質されてたんだ？」
「…はい。」
「何か事情があるの？」
「…はい。」
「じゃあ詳しい話を聞くから、とりあえずデカベースに行こうか？」
テツは優しくそう言って百合の肩を抱いた。
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作者名：kanade | 作成日時：2021年5月9日 22時
