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――たすけて…。
ゴーゴータンクの調整をしている牧野百合の耳に突然届いた消え入りそうな声。
周りを見渡してみるが格納庫の中には彼女の他に誰もいない。
――たすけてっ！
その場から立ち上がった瞬間、もう一度聞こえる声。
今度ははっきりと百合に向かって助けを求めていることが感じ取れた。
聞こえると言うより、頭の中に響いてくると表現した方が良いかもしれない。
「あなたは、誰？今どこにいるの？」
少しでも情報をひき出そうと試みるが、テレパシーの類を使用したことがない百合には自分の言葉が相手に届いているのかすらわからない。
「仕方ない…。」
そう呟いて百合は次の方法を試すことにした。
全神経を左手首のあざに集中させて声を発した主の気配を探す。
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作者名：kanade | 作成日時：2021年5月9日 22時
