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「歩けるか？」
「はい…」
明石の問いに苦しい息の中でそう答える。
左側に回った映士は、まだ仄かに輝き続けている手首のあざに気がついた。
このあざとレイが持っていたプレシャスの関係を瞬時に読み取る。
「明石は先に戻れ。こいつは俺様一人で十分だ。」
映士は今にも倒れそうな百合を一人で抱え上げた。
所謂お姫様抱っこだ。
百合の顔が自然に赤くなる。
「ちょっ…歩ける、から、降ろしっ…。」
息も絶え絶えに反論するが、映士は聞く耳を持たない。
「暴れるなよ？余計に重たくなるからな。」
普段の百合ならば彼に一発お見舞いしているところだが、今はそれもできないほど衰弱している。
「そうだな。頼むぞ映士。」
映士の想いを察して、明石はその場を譲った。
「ああ。」
そう答えると、映士は百合を抱えたまま歩き出す。
「もぅ…チーフまで…」
「余計なことは考えずにゆっくり休め。」
文句を言いたそうな百合を制して、明石は映士の背中越しに優しくそう言った。
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kanade(プロフ) - つぼみさん» コメントありがとうございます。２話目から名前を固定しています。ご希望が多ければ変換するように編集しなおします。よろしくお願いします。 (2022年8月31日 12時) (
レス) id: 89b2c9bd4d (このIDを非表示/違反報告)
つぼみ(プロフ) - 名前変換しなくなったんですか？ (2022年8月31日 7時) (レス) id: 0933191a9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kanade | 作成日時：2020年8月22日 22時
