片想い7 ページ9
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「…とりあえず、場所移動しよっか」
機転を効かせる朋香に頷き、わたしたちは屋上に向かった。
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「それで…菅原くんと何があったの?」
優しく問う朋香に、うつむきながらこの前の出来事を話す。
《清水さんとすごく楽しそうにしゃべっていたこと》
《そのときの菅原くんの顔が赤かったこと》
《それで嫉妬して、菅原くんに冷たくひどい態度をとってしまったこと》
《それから避けてばかりいること》
溢れる涙を拭いながら、誤りがないように言葉を紡ぐ。
話し終え、ゆっくりと顔を上げると、朋香は泣きそうな顔をしていた。
「そっか…辛かったね。初めて恋をしたんだもん。
そりゃあ不安になるよね……」
「うん…」
「ねぇ、Aは菅原くんにどうしたいの?」
どうしたい、か。
「…前みたいに仲良くなりたい」
「本当にそれだけ? まだあるんじゃない?」
そう言う朋香の目は、わたしを見透かすようで
言葉に詰まった。
わたしは
彼に…
菅原くんに……
「菅原くんに、気持ちを伝えたい。好きって言いたい」
まっすぐ朋香を見ると、彼女は微笑んだ。
「なら、ちゃんと向き合って言わないとね」
こくんと頷くと、予鈴が鳴った。
「そろそろ戻ろっか」
「朋香」
朋香の言葉の後に間髪を入れず、名前を呼ぶ。
「ん?」
「ありがとう」
唐突だけど、お礼を言う。
もう朋香に甘えないということを自分で言い聞かせる部分もあるけど
ただ、精一杯の気持ちを。感謝を彼女に伝えたかった。
察してくれたかはわからないけど、
「どういたしまして」
朋香も笑顔でそう返してくれた。
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夜久#LOVE - カナデさん» いえいえ。此方こそお役に立てて何よりです♪ (2018年12月16日 17時) (レス) id: bd44181088 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 夜久#LOVEさん» わわっ、なんて嬉しいお言葉…!ありがとうございます! (2018年12月16日 9時) (レス) id: 365e4dfa94 (このIDを非表示/違反報告)
夜久#LOVE - バリクソオモロイ! (2018年12月15日 23時) (レス) id: bd44181088 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - ライムさん» はい、ほんっとにかわいいですよね! (2018年11月30日 21時) (レス) id: 365e4dfa94 (このIDを非表示/違反報告)
ライム - 菅君かわいいよなあ〜(しみじみ) (2018年11月30日 17時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナデ | 作成日時:2018年11月30日 12時