菅原くんに片想い【菅原孝支】

片想い1 ページ3

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＿＿4月。




高校3年生になったわたしたちは、いつもどおり会話をしていた。




「あーあ…恋したいなぁ……」


「……えっ」




いきなりそんな話題を振ってきた親友・朋香(ともか)は、ぼーっと外を見ながら言った。




「だってさー、私たちもう高3だよ？

恋という名の青春をしないまま卒業って嫌じゃない？」


「えーっと……」




全く予想していなかったことを聞かれ、反応に困っていると
彼女は気にせず話し続ける。




「私は恋をする。青春を謳歌(おうか)する！」


「ちょっ、朋香……⁉」




急に立ち上がり、大きな声で言う朋香をなんだなんだと言わんばかりにクラスの人たちが見ている。




そして、一緒にいるわたしも見られるという……。






……っていうか、謳歌ってスケール大きいよね？




そんなことを考えながら周りを見ると、ある1人の男の子と目が合った。




とくん、と胸が高鳴る。




わたしは焦って目をそらした。







……顔が熱い。




朋香の急な話題にびっくりしていたけど、わたしには好きな人がいる。




名前は＿＿菅原孝支くん。




1年の頃からかっこいいとよく噂されていた男の子で、名前は知っていたけど、彼のことはよく知らなかった。




だから、3年生になって初めて同じクラスになれて
すごく嬉しい。




それに、元々気になっていたということもあって

彼を見ていると、女の子たちが噂をしているのも頷ける。




菅原くんはとにかく優しい。


前に教室に忘れ物をしたとき、靴箱にいたわたしにわざわざ届けてくれた。




そのときに見せてくれた笑顔で、わたしは彼に恋をしたんだ。




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