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「この前はひどいことを言って、避けてごめんなさい」
深く頭を下げられ、俺は何が起こってるのかさっぱりわからなかった。
「あ、いや、全然! 俺別に怒ってないし…! 三上さん顔上げて…!」
とりあえず頭を上げるように言うと、彼女はおずおずと顔を上げた。
けど目を合わさず、自分の足を見てる。
三上さんは、俺を嫌ってなかった…?
そうだとわかると、安心した。
「はああ…よかった」
すると彼女は勢いよく顔を上げ、「え⁉」とでも言いたげな顔をしている。
その顔を見て、なんだか一気に肩の力が抜けた気がした。
「俺、てっきり三上さんに嫌われちゃったのかと思った」
だらしないけど、ふにゃっと笑う。
__そのあとの言葉に、俺は思わず耳を疑った。
「菅原くん……
…好き……」
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・
「……え?」
びっくりして聞き返してしまった。
はっ、と我に返ったのか
三上さんの顔がりんごみたいに真っ赤になる。
「っ……ごめん!」
そう言って図書室を飛び出した。
俺は急いで彼女を追いかける。
そして
「っ、待って!」
ぱしっと手首を掴む。
彼女は相変わらず俯いたままだ。
「……」
「……」
沈黙が続く。
__このままでいいのか?
これ以上ないチャンス。
無駄にはしたくない。
勇気を出して、口を開いた。
「1年のとき…
三上さんとしゃべったことがあって
そのときに笑顔を見て……
その、一目惚れ…して」
だんだん熱がこもる顔を気にせず、気持ちを伝える。
「三上さんのこと、好きなんだ」
ゆっくりと言葉を紡ぐ。
俺は、気持ちを伝えてくれた彼女の
「だから、好きって言われてすごく嬉しい……。
三上さん」
「は、はいっ」
気持ちに応えたい。
「好きだ。俺と、付き合ってください」
だから
「はい…!」
少しずつでいいから。
君との仲を深めたい。
そう思った5月の終わり。
__Fin
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夜久#LOVE - カナデさん» いえいえ。此方こそお役に立てて何よりです♪ (2018年12月16日 17時) (レス) id: bd44181088 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 夜久#LOVEさん» わわっ、なんて嬉しいお言葉…!ありがとうございます! (2018年12月16日 9時) (レス) id: 365e4dfa94 (このIDを非表示/違反報告)
夜久#LOVE - バリクソオモロイ! (2018年12月15日 23時) (レス) id: bd44181088 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - ライムさん» はい、ほんっとにかわいいですよね! (2018年11月30日 21時) (レス) id: 365e4dfa94 (このIDを非表示/違反報告)
ライム - 菅君かわいいよなあ〜(しみじみ) (2018年11月30日 17時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナデ | 作成日時:2018年11月30日 12時