期限2 ページ3
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そういう事なら、好きに見させてもらおうと店内をグルグル
こじんまりとした小さなお店。
沢山の本を置く為なのか、通路はとても狭く、小さい頃はスルスル通れたのになぁ、なんて思い出に浸ってみる
あ、この本ずっと探してたやつだ
読んでみたいとは思いつつも、昔の本はネットでも売っていない物ばかりで、古本屋さんでも中々見かけなかったから思わぬ収穫に少しだけ舞い上がる私
あれ、そういえばあの老夫婦は……
おばあちゃんの歳を考えても、もう天国へ旅立っているか
と、少し寂しいなと思いつつ本を持ってカウンターへ向かう
この木のカウンターも、昔と変わらない
『すみません、この本買いたいんですけど……』
｢あ、すみません
もう少しだけ待っててください｣
なんて自由な店員さんなのだろう
幸い私はせっかちな性格では無いので、カウンター周辺の本棚を見ながら時間を潰す
｢すみません、お待たせしました｣
『あ、この本を……』
何だこのイケメン
めちゃくちゃイケメンなのにこの古本屋さんに居ても違和感のない雰囲気
その丸メガネ似合う人ってなかなか居ないよね
｢本を……？｣
『あ、ごめんなさい
この本を買いたいんですけど』
｢あ、その本……｣
『ごめんなさいもしかしてこれ、売り物じゃなかったり…』
｢いや、僕も好きです。その本。｣
『あ、これ中々手に入らなくて…
たまたまこのお店の事を思い出して来てみたら見つけたんです』
このお兄さんも、かなりの本好きとみた
それにしてもイケメンだなぁ……じゃなくて
｢その本、差し上げます｣
『え？いや、お金払いますよ！』
｢その本を買いたいって言う人なんて中々居ないので
欲しい人が来たらあげようって思ってたんです｣
『えぇ、なんか申し訳ない……
あ、じゃあこっちの本も買います！』
｢それは…ミステリー小説ですね
よく読まれるんですか？｣
『どのジャンルも読みます！特に昔の小説は奥が深いので…』
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作者名：チョコたん | 作成日時：2024年2月27日 16時
