貸出期限は3ヶ月_WN_ (ページ18)

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期限15番外編ページ18

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時が過ぎるのは早く、あれから1年
ウォヌさんのお店でずっと働いている私

実は半年前くらいから、"田舎休暇"なんてものが流行りだし
都会の人混みに疲れた人や、ゆっくり過ごしてリフレッシュしたい人、色んな人がこの街に来るようになった

それと同時に、ずっと昔からあるこの古本屋さんは、趣がある、なんて客足も増えた

｢今日もお客さん多かったね。疲れてない？｣

『大丈夫！本屋さんで働けるなんて幸せ…』

｢そういえば、今朝届いたばっかりの本が奥の本棚にあるんだけど、見てきてよ｣

そう言われた私は決して広くない店内の1番奥の棚を見に行く

どれが今朝入荷された本なのか分からないな…と思っていたら、明らかに分厚すぎる見た事のない英文の本が出てきた

『この英語の分厚いやつ…？』

｢そうそう、開いてみて｣

カウンターで閉店作業をしながらこちらへ叫ぶウォヌさん
私英語読めないんだけどな、と思いながらゆっくりと開く

うん、読めない。
読めるわけが無いのになんでこんな本を…

あれ？この本…

途中までめくると、残りの部分は全て切り抜かれていた

切り抜かれた部分には小さな箱

『ウォヌさん、何か入ってる！』

｢今手が離せないから開けてみてー｣

そう言われたので遠慮なく本から箱を取りだし、開けてみる

『え……これ……』

中にはキラキラと輝く、古本屋さんには似合わない綺麗な指輪が入っていた

｢結婚…しよっか｣

いつの間にか背後に居たウォヌさんは後ろから私を抱き締めて耳元で囁く。

いつの間にか流れた涙で本にシミが作られていく

『ウォヌさん…っ……』

｢返事してくれないの？｣

『結婚、したいです…っ』

そう言うと、私の手の中にある箱から指輪を取りだし、左手の薬指にはめてくれた

｢愛してる｣

『私も…愛してる』

＊