貸出期限は3ヶ月_WN_ (ページ13)

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期限12 ページ13

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そして土曜日、いつも通りの時間にお店へ向かう

『ウォヌさん〜？』

｢今日も時間ピッタリですね。お待ちしてました｣

今日は海辺にある水族館へ行く事にした

電車だとかなり遠いからと車を出してくれたウォヌさん
運転姿もカッコイイ……

｢こんな所に水族館あったんですね、知らなかった｣

『私も調べてて初めて知りました』

｢ペンギンの餌やりしますか？｣

『やりましょう！』

ウォヌさんは落ち着いた話し方に大人しそうな見た目をしているのに
実は無邪気な子供のような一面もある

ペンギンの餌やりを終えた私達は、館内をグルっと周り
昼食をとってから、外を回った

『魚食べれないの、意外でした』

｢僕はAさんも苦手って聞いて、安心しました｣

なんてお互いの情報交換をしながら回っていたらあっという間に夕方に

近くに海があるからせっかくならと砂浜へ降りてみた

『わーーー！ここの海、すっごく綺麗！』

｢海、好きなの？｣

『悩み事がある時とか、海見てるとスッキリしませんか？』

｢あー、なんか分かるかも｣

砂浜から出て海沿いの道を歩いていると、真っ白な建物に、海のような綺麗な青のステンドグラス窓のあるチャペルが見えた

とっても素敵で、小説の中に出てくるような、そんな所だったからついつい見蕩れてしまう

｢こんな所で結婚式挙げられたら幸せですね｣

『え？！あ、はい！すっごく素敵です！』

｢小説に出てきそうな所ですね｣

『あ、それ私も思いました笑』

ウォヌさんも、結婚とか考えるんだと新たな一面を知れて嬉しい半面、相手は私では無いのだろうと少し落ち込んだ

日が落ちて冷えてきたので車へ戻り、家へ向かう

いつも通り、家まで送ってくれたウォヌさんにお礼をし、車を降りようとした時

｢あの、来週はちょっと行けなくなってしまって…すみません｣

『全然大丈夫です！お気になさらず…』

｢再来週は、夕方頃に僕が迎えに行きます｣

一言返事をして、家へ入る

私がこの街を出る最後の土曜日、初めてウォヌさんが迎えに来るんだ…。

その日に、ちゃんと気持ちを伝えよう。
それで無理なら、本が好きな友達として…

そう考えながら、気づいたらソファーで寝てしまっていた

＊