不登校の私は人気歌.い手として活躍しています！その9-2（通常ver）

＃373　夢の続き ページ45

luz side

あれから大人たちのところへ戻ったけれど、さっきの深月ちゃんの姿はどこにも見当たらなかった。
親のこと、嫌いなんかな…。

でも今まで会ったことなかった。あの子を見たのは今回が初めて。俺は呼ばれたら会食に参加している。ほぼ毎回といってもいいほど。

だからたいていの人の顔は覚えているつもりだった。ましてやあんな小さい女の子なんかいたら覚えていそうなものなのに分からなかった。ということは今まで参加したことはなかったのかな…？

まあいくら考えても分からんもんは分からんのんやけど。

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luz「まああれからもう8年ぐらいたっとるんか。あのあとから会ったことなかったけどな。歌い手で深月でやっとる頃から気になってはいたんよ。それでこの前本名知って俺の知っとる子やって気づいたっていうわけ。」

まあまさかこんなに近くにおるとは思っとらんかったけどな。
でもまだAちゃんは納得いっていない表情を浮かべていた。

『その時もですけど……私たちそれ以外でも会ってますよね……？』

え？それ以外？？なんかあったっけ…。
あまり覚えていなくて黙っているとAちゃんが話し始めた。

『私……東京で多分会いましたよ…。歌い手になる前、小学4年か3年ぐらいの時に。』

なら俺が19，20歳ぐらい？なんかあったっけ…？あ…もしかしてあれか…。

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Aside

その日は夜でお母さんとお父さんがまた私のことで喧嘩をしていた。
私がお父さんのところに行けばいい話なんだろうけど、それは絶対に嫌だった。

以前、私が怖い夢を見たの覚えてるかな…？(その5、＃194参照)

その時の話の続き…

お母さんが私に翔兄ちゃんのところに行っててと頼んだ時。
その時に私は何とか頑張っては知って翔兄ちゃんの家に行こうと思った。でも、大人の方が足が速いのは当たり前。しかも多分訓練している人だった。足すごく速かった。そんな人が私を追いかけてきた。

もう捕まるって思った時に誰かに声をかけられたんだ。

「大丈夫？」

その時は余裕がなくてその人にずっと「翔兄ちゃんの家に行きたい」って泣き喚いて言っていた。

勿論その人に翔兄ちゃんが誰か分かるわけもなくて困った顔をしていたのはよく覚えている。でもその人は私の手を引いて家の中にいれた。そのおかげで追いかけている人から逃げることができたんだ。

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