不登校の私は人気歌.い手として活躍しています！その9-2（通常ver）

＃354　そこにあったものは… ページ22

そらるside

ふと目が覚めて起き上がるととなりでまふまふとうらたくんが隣で寝ていた。
起こさないようにしながら部屋を出て階段を下りて部屋の明かりがともっているところに入った。

『だだだだ誰ですか！』

すごいびっくりしてるじゃんwww

そ「そんなに怖がる？」

そう笑って言うとAは不満そうな表情を浮かべながらその言葉をスルーして

『酔いは覚めてます？』

そう聞いた。

そ「まあまあかな。」

『なんか飲みます？もちろんお酒以外で。』

さすがにもういらないや。お酒は。
まあでも喉乾いたな。

そ「なら何か貰おうかな。」

そう言うとAは立ち上がってお茶を持ってきてくれた。

『そらるさんもコーヒー飲みます？』

そ「なら貰ってもいい？」

『なら待っててください。』

そう言ってまた台所へ消えた。

まだ寝てないのかな…。周りを見回すとPCがまだついてたから覗いてみた。
Mix途中だと思われる画面がついていたけれど、パソコンに入っているメモ帳が開かれていてつい、見てしまった。

＊〜＊〜＊
名もなきボクの夢見たセカイ


「生きている意味なんてどこにあるんだろうか。」
そんなことを考える。
考えても答えが出ないことは知っているよ？
でも、考えないようにしていても頭のどこかに残っているんだ。

「夢を見るよ。」
その自分は漫画の主人公のような明るい毎日を謳歌する。
毎日を充実した「幸せ」で埋めている。
今のボクには理解できない。

「ボクが消えても何も変わらない。」
ああ。そうだ。
そんなボクを消してしまおうじゃないか。
駄目なところしかないボクを。ボクがいたところで何も変わらない。


きっと夢を見てきたボクは腐ったものに塗れ、腐っていった。
廃棄ゴミの中に混ざったボクは誰にも探されないまま朽ちていく。

「独りにしないで…。」

そんな叫びも届かないままボクは知らないうちに消えていた。



「ああ。食事を分けてくださるのですか。」
それだけで腐ったボクは心が埋まる。
夢見たボクは生きている。そんな些細な幸福で。

「貴方がいてよかった。」
そんな風に思える世界があった。
貴方が生きているからボクは此処にいるんです。
貴方はそんなこと知らないでしょう？


きっと貴方がいたからこんな腐った世界でも生きていけたんだ。
廃棄ゴミに混ざっていたボクを貴方が見つけてくれた。

「こっちへおいでよ。」

そう声をかけてくれる貴方がいたから今を生きていけるんだ。

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