検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:15,045 hit

#451 あの時のこと そのに ページ38

天月side

この前のことがあったから今はもう気にしてないけどそれまでは本当に気にしてた。

そのことは今はいいんだけど。
Aは思い出した瞬間は意識がなくなっていた。多分あの時にはもう何らかの記憶喪失があったんだと思う。現実を受け入れきれなくて幸せだった記憶はすべて消えてしまっていたたんだと思う。
その時には余裕もなくてただただ慌てることしかできなかった。

診断を受けていないからはっきりとは分からないけど何らかの心的障害なんだろうと思う。調べても分からなかったから多分特殊なケースの感じなんだろうと思う。

でも、記憶を思い出させる理由も意味もなかったし、何より本人がそのことに気づいていなかった。僕もつい最近までは気づかなかった。あの想くんのことがあるまで。だから何もできなかった。

それから数日後の話。

あれから司法解剖されたAのお母さんの遺体が届いて葬儀が行われた。多分Aは覚えてないんだろうと思う。そのお葬式にはAのお父さんも来ていた。

Aは周りが見えなくなってて、葬式に出たら危ないなと思って僕が何も言わずにいつも通りを装っていた。お父さんがいると知ってお葬式にも出せられなかった。僕も出れなかった。
Aとずっと一緒にいた。

本当に申し訳ないことをしたなと思う。でもそれぐらいAは様子がおかしかった。今にも消えてしまいそうな感じで、何かに触れたら壊れてしまいそうな気がした。だから葬式には出させなかった。その日はずっと僕と一緒に家でゲームしたり、テレビ見たり、くだらないことを話したりしていた。

ただ、物事というのはそう簡単にはいかないみたいで呼び出された。Aが。Aのお父さんに。せっかく距離をおいていたのにもかかわらず。ただそのいうことを聞かないという選択肢は存在しないことは知っていたから何も言わずにAをAのお父さんのもとへ行かせた。それが悪かった。

ちょうどその日の夜、僕の歌い手活動で打ち合わせがあって一緒に行けなかった。そこで何があったのかはわからないけれど酷くAの様子がおかしかったし僕を避けるようにもなった。笑顔が完璧にといっていいほど消えていた。朝はかろうじて僕の話に笑えていたけれど、その日、Aのお父さんと会った後からは感情を示さなくなっていたんだ。

その頃は笑うどころか泣きもしなかったし、怒ることも、ふざけることもしなかった。

本当の無表情だった。

#452 小学6年生の出来事→←#450 あの時のこと そのいち



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
設定タグ:歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

華奈(プロフ) - 81さん» そうなんですね!了解です!今続編をチョコ著k作りながら他の作品も書いていってるので多分夕方ぐらいの完成して投稿できると思います!少々お待ちください! (2018年11月14日 13時) (レス) id: c708660bae (このIDを非表示/違反報告)
81 - いえいえ!最近は結構遅く寝るので、、、、(^^;え、こんな時間に?!って時にコメントをするかもしれません笑 (2018年11月14日 13時) (レス) id: 9ebdcf52db (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 81さん» ありがとうございます!まさか深夜に見てくださってたとは思わなかった…。嬉しいです!頑張ります! (2018年11月14日 9時) (レス) id: c708660bae (このIDを非表示/違反報告)
81 - 続編も読んでいきますね!(*^^*)頑張って下さい!! (2018年11月14日 3時) (レス) id: 9ebdcf52db (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 81さん» いえいえ。こちらこそお疲れ様です。もしかしたらまた更新するかもです。わかんないですけど() (2018年11月13日 23時) (レス) id: c708660bae (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:華奈 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年10月26日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。