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０３ ページ4
「...初めて、ですよね。」
突っ伏している彼に気を取られ、ぼーっと立ち尽くしていると
スタッフであろう腰に黒いエプロンを巻いた長身の相手に座るよう促され、
３つほど席を開けてカウンターの真ん中あたりに座る。
「何にされますか。」
お酒に詳しいわけでもなく、返答に困っていると
「...もう結構遅い時間やし、あんまり強ないやつにしときますね。」
関西なまりの口調でそう告げた彼に流されるように
「あぁ、はい。それでお願いします。」と返すのがやっとで。
レコードだろうか。
ゆったりとした音楽に微かな煙草の匂い。
それほど広くない、言ってしまえば少し狭いくらいの店内。
誰の話声も聞こえない、自分一人と錯覚してしまいそうな空間。
でも何故か落ち着くその空間に惹き込まれていた。
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作者名：無 | 作成日時：2017年3月21日 13時
