松川サン、俺コッチ。【松川一静】

ストーリー＊09 ページ10

▽松川一静side




あー、なんだっけ。

今回の授業は……。




「今日は、自画像を描いてもらいまーす。

以上。皆のもの、取りかかれー！」

「「「おーっ！」」」




美術だろ。たかが美術で、こんな燃えるか？

いや、それより先生、説明雑過ぎデショ。




「はは…」




にしても、自画像…か。

適当に描いてボーッとしてよっと。


周りの奴らが楽しくワイワイ騒ぎながら、

とりかかっている中、俺は1人黙々と……。




「うわっ！松川さん、ヤバい上手い！」

「え、嘘。！…ほんとだっ」

「絵描くの得意なのー？」

『あ、いや……うん』

「どっちよ！笑」




いつの間にか、松川サンの周りに人がたくさんいた。

え、なに気になる。

俺は鉛筆を置き、松川サンの方に向かった。




「コレ、松川サンが描いたの？」

『！……松川クン…』

「はい。松川クンですよー。

て言うか、ほんと上手いネ」

『っ…』




俺は、松川サンの顔を覗き込んで聞いた。が、




「え、ちょ……」

「松川さん、顔赤い！」

「松川、だいたーん♡俺にもやって〜笑」




「松川…サン？」

『う、るさい…っ』




予想外の展開。

松川サンが、テレました。俺も…テレソウデス……。

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