松川サン、俺コッチ。【松川一静】

ストーリー＊07 ページ8

▼松川Aside




な、なにを言ってるの。

そして、なにをしてるの……？




『ちょっと…なんで、腕……』

「こうしないと松川サン、逃げちゃうから」

『逃げないし。あなただけ行きなさいよ』

「やーだっ」




……なんなの、ほんと…っ。

掴まれてる腕が、熱い。

松川クンの手、大きいし力強いし、

私の腕折れちゃうんじゃないの？


なんて、今考えてる暇ないっ。




『わがまま言わないでよ、子供ね！』

「そうだよ。俺、まだガキ」

『ガキなら言うことくらい聞きなさいよ……』

「じゃあ、松川サンは俺より大人なら、

ガキの俺の言うこと聞いてくれるよネ？」

『……そ、それはっ』




それは……。

……ダメだ。なにも言い返せない。




「“言うこと”じゃキツい言い方だネ。

“お願い”、聞いてよ？松川サン」

『……しつこい。どうしたら、やめてくれるの』

「俺の“お願い”聞いてくれたら、やめる」




なにそれ。私が嫌だって言ったら、

このやりとり永遠に終わらないじゃない。




『わ、わかった…なによ、早く言って……』

「！…ほんと？じゃあ、今は一緒に移動行こう」ﾆｺｯ

『はいはい』



はあ…疲れる……。

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