【鬼灯の冷徹】丁の隣にいた少女 ２

第五十七話 過去の罪と懺悔 ページ14

烏頭「…『丁』？」


貴方「そう。その子は私と同じように集落全体からいじめられてたの。でも、そんなのに屈してなくて、しかも私よりも知識が沢山あって…本当に、いい子だった。

それで、私は助けてくれたことが本当に嬉しくて、その日から私は丁とお友達になったの。


毎日夕陽が昇ることに遊ぼうって、約束し合ったの。


それから毎日会った。


夕方までにいじめを沢山受けたりもしたよ？でも丁に会えることを考えたら、前より辛くなかった。



毎日楽しかった。幸せだった。苦しかったけど、丁と出会えて良かった……



……でも、お別れする事になっちゃったの。



その集落は、雨が降らないことに悩んで雨乞いの生贄を出すことを決めたの。


私か丁、このどちらかだった。


その話を、私は偶然にも聞いちゃったの…


…どうしても、丁に死んで欲しくなかった。


だから……私は生贄になることを名乗り出たの…」


烏頭「！」



貴方「……死ぬのは怖かった。でも丁が死ぬ事の方がよっぽど嫌だった。

それまで沢山丁と思い出を作ろうと、儀式が行われる日までいっぱい遊ぼうとした…

でも…酷いことにっ…儀式が早まった…

大好きな場所に行こうって話してた日だった…

凄く悲しかった……だけど丁に死に目を見て欲しくなかった。きっとあの子は優しいから私を庇う。


…だから私は…その約束を利用して…丁を騙したっ……


でも…私馬鹿だから…丁は頭がいいから……


丁がっ…儀式に来ちゃって…それでっ……



悲しい思いさせちゃって……ほんとっに…っうぁ…ごめんなさい…ごめんなさいっ…」


烏頭「…もういい。ありがとな…全部聞かせてくれて…俺と変わらないくらいの年なのに、俺よりも倍に苦労してて…びっくりしたよ…」

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