【d！】メンヘラ製造記録書【合作短編集】

愛の重い王子様/syp ページ1

西洋、シンデレラ？パロ
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王子様と結婚、なんてものは子供の時誰しもが憧れたのではないだろうか。

そんな私ももう18、どこかの文献で読んだ【灰被り】なんて本は義母や義姉にいびられた女の子が魔法の力によって舞踏会に行き、王子様に見初められるだとかいう夢物語はどこかに消え去った。


「A、もうご飯よ。おいでなさい」

『はーい！了解です！』


昔に母親は亡くなってしまい、今は義母だけれどもあの絵本なんかよりもずっと優しかったりする。
父親も宮廷に務めているから帰りは遅いが、帰ってきた時には私の事を気遣ってくれる。

実姉は昔、自国の王家に嫁いで行って義姉の方は町の靴屋の男の人と駆け落ちしに行った。
まあ駆け落ちと言っても偶に旦那も連れて帰ってきたりするけれど。


そうだ、私もそろそろ嫁がなければと舞踏会の風の噂を聞いて義母の元へ行く。
隣国の王子様の嫁探し。
流石に隣国の王子様は無理だろうけれども何もしないよりも全然出会いはある。
レッツ、花婿探し！なんて意気込むが。



「それ、本当に行くの？」

『っえ？駄目なんですか？』

「ダメとは言わないけれども⋯⋯。これ、昨日開催されてるやつよ」


何で昨日より前に教えてくれなかったのかと義母をにらみつけるが目をそらされてしまう。
まあ無理に行く必要もなかったしと出来立てのパンを齧る。

絵本のお姫様は魔法使いに頼んででも舞踏会に行ったが、私は酷いことをされていないしむしろ裕福な暮らしをできていることに感謝して、ゆっくりと母とマフラーでも編んでいようか。



そう思った矢先だった＿＿＿＿＿

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