かみしげに幸せになってもらいたい (ページ6)

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リビングで愛するペット達にただいまの儀式を一通り済ませる。

いつだってうちの子たちが1番可愛い。

「メシどうするー？」と何気なく振り向くと、ソファに座りとても真剣な表情をしている重岡と目が合った。

途端に部屋の空気がピリッとする。

…あれ？これなんかあかん空気？

別れ話とかそういう可能性ある？

頭をフル回転させるものの重岡が今険しい表情をしている理由がそれしが思い当たらず絶望を感じる。

「…神ちゃん、こっちきて。」

…別れたくない。話すのが嫌でしょうがない。

そんな思いでいっぱいになり、少しでも時間を引き伸ばそうと

「えー？メシは？Uberどこがいい？お腹すいたから先に頼もうやー」

なんて問いかけてみたものの、

「神ちゃん。座って。お願いやから」

と返されてしまった。

あぁ、終わった。
ついにその時が来てしまったのだ。

覚悟を決めなければならない。

遅かれ早かれこうなる運命だったのだと諦め

大きく深呼吸をして重岡の隣に腰掛けた。

ふわっと大好きな匂いと温もりに包まれる。

「…え？」

重岡に抱きしめられているのだ。
と気付くまでに少し時間がかかってしまった。

大好きな重岡が自分の事を抱きしめてくれている。

その事実がとても幸せなのに、このまま別れ話をされるかもしれないのだと思うと、素直に背中に手を回すことができなかった。
　
　
　
　