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食事や順番でのお風呂も終わり、明日は午後からの授業なので少し夜更かしできる。
これは、神ちゃんとちゃんと向き合うために必要なことだと信じて。
「なぁ神ちゃん。ひとつ、お願いあんねん」
「…え、なに?嫌な予感。
まぁ、内容次第やな。言うてみ?」
いつも通りの神ちゃんに少し安心する。
大事なことなので改まって正座をすると、神ちゃんも驚いたように正座した。
「あの、…試させてくださいっ!!!」
「…は?試す?何を?」
「神ちゃんにくっつきたいねん。
頭で考えただけじゃ告白の答え出せへんくて。」
「え、え?、それって」
「手繋いだり、してみたいねん」
「はぁっ!?何言ってんの!?」
余程俺の言葉が想定外だったのだろう。
目を白黒させて言葉を失っている。
「お願いしますっ!!!
もちろん神ちゃんが嫌って言うならせえへん。自分勝手に気持ち確かめるために神ちゃんを利用するのは嫌やし。」
そのまま神ちゃんは俯いて考え込んでしまった。
そらそうよな、悩むよな。
せっかく告白してくれたのに。申し訳ない。
「いや、え…んと、
これで、無理って言われたら、結構きついねんけど」
「分かってる。やからこそ無理を承知でお願いしてるし、断ってくれてもええ。
やけど、せっかく神ちゃんが告白してくれたのに答え宙ぶらりんにさせたくなくて。
やのに、これ以外に方法思いつけへんねん。」
…しばらくすると、深く息を吸いこんで、顔をキッと上げた神ちゃん。既に覚悟を決めた表情だ。
「分かった。あの時すぐ振られてもおかしく無かったのに、こんだけしげが俺のこと真剣に考えてくれてるんやもんな。
俺も腹括るわ。」
ほんまに。
神ちゃんの男らしい性格も、改めて好きやなと思う。
優柔不断な俺の分まで、神ちゃんがしっかりしてくれる。
人として。出会った時からずっと大好きで。
いつまでも一緒にいたいと思っているのは間違いない。
そこは自信を持って言える。
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作者名:なーー | 作成日時:2023年1月8日 1時