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29.his name ページ31

「……」

『……』


……?

……急に何も喋らなくなった。


『あの……?』


そう話しかければ、彼の目と私の目が合う。

今にも吹き出しそうな表情をしている彼が、何か云いたそうに私の目をじっと見つめた。


『……嗚呼』


さっき何も云わないでって云ったから。

それを律儀に守って……。


とは云え、ここで黙られても気不味いだけだし、だからって話させても名前を云われたら困る。


『……ええと、名前を云わないのなら話しても良いです』

「えー」

『えーじゃないです。不必要な情報を知って殺されるとか嫌です』

「……だーかーら、殺さないってば。私がそうさせない。これでも未だ信用出来ない?」


……あ。

先程とは違う、明かり(ハイライト)の灯った目。


慣れた手つきで顎を掬い上げられ、再度私の目と彼の目が合った。


自分から目を逸らすのは癪なので、意地でも彼の目を見つめ続ける。


『……』

「……ふむ、抵抗しないねえ。つまらない」


あ、勝った。

先にふい、と目を逸らされたので、私は心の中で一人快哉を叫んだ。


「……で、君は何故横浜に?」


彼は、目も合わせずそういきなり話題を逸らした。その様子に、私は内心ほくそ笑みながら答える。


『母に用件を頼まれたのです。横浜に母の友人の方がいらっしゃいますから、訪ねて欲しいと』

「嗚呼。横浜に住む訳ではないんだね」

『えぇ、もう少し色々な所を訪ねてみてから決めようと思っていまして』


そっか、と相槌を打たれた。


「成程ね。住処を見つける迄の一人旅、か……良いね。とても良い」


感情を押し殺したような抑揚の無い小さな声で、そう呟いたのが聞こえた。


──────────



こんにちは、珀惺です。

いやもう、更新かなり遅れました。
申し訳ございません。本当にすみません。
土下座してもしきれません。

それから、今日の更新ですがいつもとはかなり時間が違ってしまいました。(いつもの更新は早朝です)
ご察しの通り、私生活……というよりもやらなきゃいけないことが多過ぎて(主に課題と勉強)、最近は中々更新出来ていない状況です。
これからは、更新できる時に時間帯関係なく更新させて頂こうと思っています。


読者さんがいてくださる限り、無責任に書きかけの小説を未完成のまま停止、なんてことは絶対にしません。
絶対に完成させます。


ですので、これからもこの小説を読んでいただけると幸いです。
以上です!

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珀惺(プロフ) - 水ガラスさん» ありがとうございます!!執事中の主人公は格好よく書きたかったので、そう言って頂けて嬉しいです……! (2022年9月23日 4時) (レス) id: f325ea4e61 (このIDを非表示/違反報告)
水ガラス - すごい……。面白いです!執事と聞いてどんな感じのだろうかと思っていたら、主人公のお仕事具合がかっこよくてびっくりしました。ぜひ主人公の幸せへの今世を応援したいです! (2022年9月23日 2時) (レス) id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
珀惺(プロフ) - クロノトさん» ありがとうございます……!これからもそう言って頂けるよう、頑張って投稿していきたいと思います! (2022年9月22日 6時) (レス) id: abe696b439 (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - 神作品キタコレ!! (2022年9月21日 21時) (レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珀惺 | 作成日時:2022年3月30日 22時

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