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23.night flying ページ25

全ての手続きを終え、飛行機に乗り込む。

荷物の整理も済み、漸く一段落ついたところで、背もたれに思い切り背中を預けた。

流石ファーストクラスと云った所か、座り心地が言葉にならない程心地良い。


……やばい、眠くなってきた。


恐るべしファーストクラスの座席。


ここ最近の多忙により真面な睡眠も取れていなかった私には、生憎眠気に抵抗する術すら持ち合わせておらず。

仕方が無いので、微睡みながらも最後の力を振り絞って頭を回転させる。


飛行機の出発時刻は、ニューヨークの時間帯で大体午後5時。単純計算で、時差を13時間と仮定すると、到着時刻は日本時刻だと明日の午後7時になる。

夜か……。
着いて早々、慣れない国でホテルを探さないとといけないのか……。


やる気も出ず、はぁ、と溜息をついて瞼を閉じた瞬間、どうしようもなく強力な眠気が再度私を襲う。


……もういいや、考えても仕方ない。着いたら着いたでその時考えれば良いだろう。


思考力と計算力なんて、とうの昔に使い果たしてしまった。

全ては目が覚めた後の私がすべきことだ。今の私はもう寝てしまえばいい。


そう決意をしてしまったからには、もう後戻りなど出来る訳もなく。


そうして其の儘、私の意識は呆気なく深い眠りの底へと堕ちて行った。


◇◆◇


『……、ん……』


目が覚めた。

その瞬間に聞こえてくるエンジンの駆動音に、今私が居る場所や置かれている状況を思い出す。


……そうだ、今私は日本行きの飛行機に乗ってるんだった。


まだ頭がぼーっとする。


何となく窓に目を向けると、時刻は夜らしい。

着陸予定時刻が午後7時だから……。

……もう着陸まであと少しと云う事か。


何となく喉が乾いたのでCAさんを呼んで紅茶を用意して貰ったり、残り時間は映画を見たりして過ごすことにした。


私は飛行機に乗っている間の大部分の時間を寝て過ごしていたようで、起きてから一時間足らずして着陸の案内アナウンスが聞こえて来た。


──────────

海外行きの飛行機なんてエコノミーしか乗ったこと無く、ファーストクラス良いなぁ、なんて思いながら書いている今日この頃です。

でも調べてみたらファーストクラスって片道100万位するそうなので、そのサービスの大部分を寝て過ごした主人公は、傍から見ればかなり金銭感覚おかしいです(航空券の代金を払ったのは母ですもんね……)。

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珀惺(プロフ) - 水ガラスさん» ありがとうございます!!執事中の主人公は格好よく書きたかったので、そう言って頂けて嬉しいです……! (2022年9月23日 4時) (レス) id: f325ea4e61 (このIDを非表示/違反報告)
水ガラス - すごい……。面白いです!執事と聞いてどんな感じのだろうかと思っていたら、主人公のお仕事具合がかっこよくてびっくりしました。ぜひ主人公の幸せへの今世を応援したいです! (2022年9月23日 2時) (レス) id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
珀惺(プロフ) - クロノトさん» ありがとうございます……!これからもそう言って頂けるよう、頑張って投稿していきたいと思います! (2022年9月22日 6時) (レス) id: abe696b439 (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - 神作品キタコレ!! (2022年9月21日 21時) (レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珀惺 | 作成日時:2022年3月30日 22時

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