10.忙殺 ページ12
「アメカから君の日本の預金口座は聞いているので、毎月振り込んでおく。先程の契約故、異論は認めない。これで用件は済んだ。戻って良いぞ」
あっさり追い出され、私は呆然としながら書斎のドアの前で立ち尽くす。
『』
…………無期限の、
………………有給休暇?
……………………あの旦那様が?
『…………。……っはあああぁっ!?』
◇◆◇
「コハルさん! 此方の書類の確認をお願いします」
『嗚呼、了解しました。預かります』
メイドさんから書類を受け取る。
「すみません執事長、予算に不備があったようで……」
『確かそれはメイドさん達の管轄だったはずですが、仕方ありません。やっておきます』
執事さんから書類を受け取る。
「コハル、この報告書だが……」
『嗚呼ごめん、書き方ならあとで教える。で、こっちの方は纏め終えたんだね。早いな、流石だ。確認しておくよ』
同僚(新執事長)から書類を受け取る。
凄い。
もう書類五枚くらい溜まった。
やばいぞこれは。
徹夜コースまっしぐらである。
廊下を歩いているうちに溜まっていった書類を手に持ちながら、自室へ入る。
相変わらず、机上にはいくつもの書類が散らばっていた。
椅子に座り、書きかけの書類に目を通すと、ペンを手に書類の整理に取り掛かる。
それからしばらくして、窓の外が暗くなる頃、ドアからノック音が聞こえた。
『どうぞ』と返事をすると、メイドさんがにこにこと笑みを浮かべながら入ってくる。
『メイドさん……? どうしました?』
「ダイニングルームにて、旦那様と奥様、そしてお嬢様がお呼びです」
『……え? 何故……』
奥様はまだしも、お嬢様は寮生活だったはず……と首を傾げていると、メイドさんがふふ、と笑った。
「それから、旦那様のご指示です。本日の夕食には、
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珀惺(プロフ) - 水ガラスさん» ありがとうございます!!執事中の主人公は格好よく書きたかったので、そう言って頂けて嬉しいです……! (2022年9月23日 4時) (レス) id: f325ea4e61 (このIDを非表示/違反報告)
水ガラス - すごい……。面白いです!執事と聞いてどんな感じのだろうかと思っていたら、主人公のお仕事具合がかっこよくてびっくりしました。ぜひ主人公の幸せへの今世を応援したいです! (2022年9月23日 2時) (レス) id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
珀惺(プロフ) - クロノトさん» ありがとうございます……!これからもそう言って頂けるよう、頑張って投稿していきたいと思います! (2022年9月22日 6時) (レス) id: abe696b439 (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - 神作品キタコレ!! (2022年9月21日 21時) (レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珀惺 | 作成日時:2022年3月30日 22時