5話…JKside ページ5
彼女の元を訪れたものの
彼女はすやすやと寝ていた
彼女が死ぬまでの1年間
俺は彼女を見守る義務がある
彼女が後悔なくこの世を去れるように
まぁ、キム・Aの性格上
後悔という単語は
彼女の中にはないと思うけど…
そんなことを考えていたら
パチっと彼女は目を覚ました
…うーん、なんだろう
俺の姿は彼女には見えないはずなのに
視線を感じる
興味本位でもう一度彼女を見ると
俺の方を瞬きもせずじぃーっと見つめてる
え、
まさか…
「…もしかして俺のこと見えてる？」
彼女は驚きつつも
「…あっ、えっと…見えてます」
と返した
たまに俺らの姿が時間が経つにつれて
見える人もいたけど
出会って数秒で見えた人は初めてだ
…こんな時どんなふうに対処するんだっけ？
マニュアルをパラパラとめくり
とりあえず俺は
彼女に余命宣告をした
彼女は目を数回瞬きをさせた
でもそこまで驚いている様子ではなかった
もっと慌てふためくと思っていたんだけど
それよりも彼女は俺の正体が
気になっている様子だった
うーん…なんて説明しよう
こういうのって難しいんだよね
すると彼女は"死神ですか？"と
真剣な眼差しで聞いてきた
半分正解で半分不正解だったのだが
俺はあながち間違っていないと
曖昧すぎる答えを返した
それでも
必死に質問してきた彼女の姿を見て
妙に張り巡らされていた緊張の糸が切れた
…ふっ
我ながら仕事中に笑ったのは久しぶりだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃまめ。 | 作成日時：2018年10月29日 21時
