274.君の名は？ ページ37
‥‥誰？』
う〜ん‥‥双子？？
いやいや私は一人っ子‥‥
え？ただの似た顔の人‥‥？
それだと世界に3人かぁ‥‥すごい確率‥‥
《‥‥え、‥‥マジで言ってますの？主‥‥》
いや、ほんとに誰‥‥？
私に似たこの人は‥‥？
よく観察すると、微妙に少しずつ違うようだ。
忌々しいカールのかかった黒い髪。
怪しく光る赤い目‥‥
《まぁ、当たり前でしょうね。
あたしには名前がありませんもの。
しかし、もう忘れちゃったのかしら？》
うーん‥‥
『え、マジ知らない。』
《‥‥はうっ！》
わかりやすくショックを受けた謎の私は‥‥
《ふふふっ、いいですわ‥‥
いいですのよ。
‥‥それくらいのこと、ええ、全く。
全てあたしの想定内ですわ‥‥》
半分キレながら私の方へと近づいてくる。
何‥‥何なの！？
彼女が私の前に来て手をかざした瞬間＿＿＿＿
『‥‥ｯ!?』
カルマの何かを叫ぶ声＿＿＿＿
私が雨の中でうずくまる姿‥‥。
その顔は昔の頃の様に
この世界に絶望したかのように
"全部‥‥消えちゃえばいいのにな。"
と、つぶやいた＿＿＿＿。
あぁ、だいたい分かった‥‥
彼女は‥‥
私の大嫌いな‥‥あたしだ。
否定し続けた‥‥触手だ‥‥
《ご気分はいかが？》
『いい‥‥わけ‥‥ない‥‥でしょ‥‥』
過呼吸のように狂い始めた呼吸のリズムを
整えようと、大きく息を吸って言い切る‥‥
《でもね、主。この先が見えないの。
あたしでも‥‥
つまり、未来は変わる、という事らしいわ》
未来？そんなものは見えなくたっていい‥‥
要らない‥‥？‥‥変えてやる！
‥‥やってやるんだから！
彼女を憎らしげに睨みつけると、
何故か満足そうに‥‥
《うん。それでいいのよ。
私貴方のその顔、すごく好きよ。
それじゃあ主。また逢う日まで‥‥って、
そう遠くないでしょうけど、》
聞き出したいことは沢山あったのに‥‥
彼女は闇へと消えていった
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