267.ネーミングセンスの無さ ページ30
？サイド
大型ショッピングモールの1階。
レストラン街に位置するこのお店‥‥
そこそこ人気店であって‥‥すごい忙しいの！
え？！私の名前？
‥‥私は誰かだって？
じゃ、特別に私の重大個人情報晒しますか！
変な名前で言いたくないんだけど、
私の名前は地味井 売子。
ホントに、親のセンスを疑うわ‥‥。
なによ、じみい！
‥‥こっちは、名字だから仕方ないけど‥‥
‥‥売子って！
売り子にピッタリの名前じゃない！
ほんとに両親は私が将来売り子になると予測したのかしら‥‥
まぁあっているから文句は言えないけど
歳？レディに聞いちゃいけないって‥‥
先生に習わなかった？
このお店で働き始めてからはや１年‥‥。
灰色の髪をポニテにまとめ、
制服に身を包んだ私。
そろそろマニュアルもカンペキ！
今日も慣れた手順で仕事をする。
「あ、いらっしゃいませー！
何名様で‥‥」
一瞬、息が止まるかと思った‥‥
店の入口に立っていたのは
4人の美男美女______。
あぁ、‥‥アニメの中から抜け出してきたみたいに絵になる‥‥
カメラを持っていないことに私は後悔する
仕方がない.........心のカメラで......
『‥‥4名で、お願いします。』
この狭い空間に響き渡るような声。
その声に私は現実に引き戻された。
「‥‥あ、はい！4名様ですね！
お好きな席にどうぞ！」
一瞬、頭から抜け落ちたマニュアルを
確認し、‥‥彼女らを席へと案内する。
すると、座るや否、
『注文‥‥いいですか？
‥‥ミラクルビックぱふぇ2つ』
と、メニューを見ずに言う‥‥。
私は、こんな事初めてで‥‥
パニクりながらも注文を取る。
「あ、こちらのぱふぇ、
カップル割引が適応されますが‥‥
2組‥‥様ですか？」
2組、私はそう思った。
ダブルデートでもしているのだと‥‥
赤髪のイケメン君と、隣に座るヘッドフォンの美少女、
両方ともオレンジ髪の美少女と、イケメン君。
しかし、それが‥‥‥‥
大失態だった‥‥
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