英雄参上 ページ16
ASide
皆が馬に乗れることには驚いた。凄く好都合なので3人で馬を走らせ、旅立ちの祠へと向かっていた。
イレブン「あ、あれっぽいね」
お兄ちゃんは私たちが肉眼で確認できる距離にある海沿いの小さな建物を指さした。
カミュ「よしもう少しだ、ひとっ走りするぞ」
カミュはそういって手綱を強かに馬に打ち付けた。
流石に今のは馬が痛かったろうに…カミュの馬は猛スピードで走り出す。
私たちも置いてかれてしまわないように馬を走らせる。
あと少し…そんな時だった。
「逃がさんぞ、悪魔の子よ!!」
紫色のセミロングヘア、良いガタイをしたおじさんが黒く毛並みの良い駿馬(しゅんめ)と呼べそうな馬に乗って崖を飛び降りた。その後ろに2、30程の兵を引き連れて。
カミュ「くそ、もう追いつかれたのか…!」
どうやら敵のようだ。
A「…面倒なおっさんだなぁ」
喧嘩っ早い私はスラリ、と剣を鞘から抜いた。
カミュ「…!馬鹿A、逃げるぞ!捕まったら今度はただではすまされねぇ!」
イレブン「A!!」
二人が悲痛な程の叫びを上げるので、私は渋々剣をしまった。
まぁ気が落ち着くはずもないので、とりあえずイオラを2連ぶっぱなしておいた。
足止めにはなったようで、おっさん達がもたもたしている間に私たちは祠へ滑り込んだ。
A「いつかあのおっさんは倒してやりたい。そういう顔してたわ」
カミュ「どんな顔だよ…しかもお前、あいつはデルカダールの英雄と呼ばれるグレイグ将軍さんだぜ。下手に出るのはよそうな。」
あのおっさん英雄なのか…ていうか、
A「何が悪魔の子なの…?」
そういうとお兄ちゃんは表情を曇らせた。
カミュ「A、まずはこの旅の扉を抜けようぜ。宿屋で、その辺りの話はゆっくりと、な」
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作者名:( ˙-˙ ) | 作成日時:2018年1月14日 22時