【第五十六話】過去ノ思匕出二 ページ9
後日、俺は何のためらいもなく米国へと向かった。恐怖心とかそういったものは全くなく、寧ろワクワクしていた。
これから先自分はどんな所に行くんだろうとか、どんなことをするんだろうとか、好奇心の方が大きかったように思える。
あの時はとにかく、あのゴミ溜めみたいな生活から早く抜け出したかったんだろう。
それからと言うもの、俺は団長の補佐として下に働くことになった。
最初は雑用ばかりこなされていた。お茶の淹れ方、窓の拭き方、ホウキの掃き方...気分はまるで執事だ。
だが、嫌だと思うことはなかった。
団長が、優しい人だったから。
「団長、そろそろ休憩にでもしよう。お茶淹れましたよ」
「....うん、今日も良い味だ」
「今日は、ラベンダーを入れてみたんです。
ラベンダーにはストレスの緩和や、リラックス効果があるって本に書いてあったんで...」
団長は俺の頭はポンポンと撫でると「Aは勉強家だな」と言った。
俺はこれが、何よりも嬉しかったんだ。
────〇────
「モンゴメリー、お茶淹れてきた...どわぁ!!」
「アッハハハ!Aったら、何も無い所で転んでダッサーい!!」
「わ、笑わないでよ!!」
いつしかお茶淹れは完全に趣味の枠となっていた。
最近ではモンゴメリとのお茶会が楽しくて仕方ない。
そんな風に、いつも通り雑務をこなしている時だった。
「A、ちょっとこっちへ」
団長に呼び出された。
「どうしたの」
「お前にも、そろそろこの仕事をしてもらおうと思ってね」
そう言い団長が取り出したのは、一丁の拳銃だった。
俺はその仕事というものをすぐ様察した。
これもまた、団長の補佐役としての一環なんだとその時は自分にそう言い聞かせていた。
「...うん、分かった。それで、誰を殺.ればいい?」
初めて殺.した人間は、小さな街の政治家だった。
何でも団長の交渉を否定した上、部下を殺すよう命令を降したらしい。
明らかに団長の敵だ。
「.....」
「ん...?少年、どうした?ここら辺の者ではないようだが...迷子にでもなったのかい?」
僕は団長の命を果たすべく、先ず直ぐに路地裏に案内できるよう路地裏近くにたむろする。
政治家の男はみすぼらしい格好に身をまとった俺にまんまと引っ掛かった。
それから俺は、
「異能力『時間並行』」
「...!?あぁっ.....」
異能力を発動する。
路地裏に案内し、記憶の波に閉じこませたところで
パンパン
僕は拳銃で、その男を殺した。
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時