【第五十五話】過去ノ思匕出 ページ8
乱歩さんに出会ったあの日以来、俺は異能力というものに憧れていた。
だが、
「異能力?お前みたいな家も恵まれてねー才能なしがなれる訳ねーじゃん!」
悪友や担任からは馬鹿にされ続けていた。
当時の自分は頭も良くなけりゃ、運動もできない。面白い話題の一つもない様なガキだったから。
それを踏まえた上で異能力者になりたいと言っていたんだ。
才能なしと馬鹿にされるのも当然だ。
「ただいま〜...」
「ああ.....お帰りA...」
「あ、母さん...布団から出ちゃ駄目だよ、また入院することになっちゃう」
家に帰るも母は病気がちな為、入院入退を繰り返していた。
父親の給料でも、家を支えるのがやっとという程度だ。
そんな俺が母親に内緒で行っていたのが『盗み』。
商店街でバイトをすると嘘をつき、八百屋の親父ん所から良く物を盗んでいた。
だが八百屋の親父はそれに目を付け、俺がまた盗みをしたとでっち上げ遊びを楽しんでいるような奴だった。
この前はたまたま乱歩さんが助けてくれたが、今日はそうもいかない。
いつものように上手く盗んでやろうと思い、商店街に向かった河川敷前だった。
「わっ...」
「ん...?」
目の前を通り掛かった外国の人らしき男にぶつかってしまったのだ。
その男こそ
「少年...危ないだろ。ちゃんと前を向いて歩きなさい」
団長だ。
今思えば何故あの時横団長が横浜にいたのか不思議だが、あの人は俺を見てこう言ったんだ。
「.....少年、」
「...何?」
『君、イイモノを持っているね』
と。当時は意味が分からなかったが、今思えば団長は、俺の異能の才能開花を察していたのかもしれない。
「イイモノ...?」
「ああ、イイモノだ。どうだ、これからちょっと話でもしないかね?」
俺は言われるがまま、団長に付いて行った。
────〇────
それから団長とは話という名の契約を結んだ。
先ず一つ、俺が団長と米国へ行く。
その変わり、団長は毎月俺の家族へ資金を送る。
もう一つ、養ってもらう変わりに俺がギルドに入団する。
先程言ったように、当時の俺はガキだったのでよく意味も分からず「うん」と頷いてしまったのだ。
ここからが、俺の正義と善と悪を見極めるルートとなる。
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時