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【第八十四話】 ページ37

トウェインの無計画さに思わず無言になるトムであったが、そう呆れるのも束の間だった。



突如響いた大きなドオッという打撃音と共に、横浜の街に眩い光が見えた。

何かと思えばそれは虎化した敦であったのだ。



「.......生きてる...?」

途端に人の姿に戻った敦であったが、本人もあの衝撃波で死んだかと思っていた。

するとホンの一メートル先に例の人形が落ちていた。
また先程の様にギルドの人間に狙われていけない、ボロボロの体でよろめきながらも敦は人形に近付いた。

「早く...届けなきゃ.....」

手を伸ばせば届くという距離にいた時だった。

「!?」

激しい銃声と共に人形と敦の間に弾丸が飛び散った。
何かと思い空を見上げると其処には既に白鯨がいた。


トウェインだ。


敦は素早く人形を掴み、次々と襲い掛かってくる銃弾を必死に避けた。

「おいおい外してんぞ下手糞」

「まーじーでー!」

だがそんな中トウェインは至って楽しげだ、まるでゲームセンターのシューティングゲームで遊んでいるかのようだった。

敦がビルを盾に角を曲がった時だ。


「!!」


倒壊した横浜の全貌が見えた。
車は有り得ない向きにひっくり返り、道という道には幾つもの凹凸(おうとつ)が出来ていた。
煙は数多にも立ち上がり人はまるでゾンビ映画から出てきた様に朧気であった。


そんな変わり果てた横浜に敦が愕然とした、だがトウェインの攻撃も止まらない。

「(一刻も早く、これを止めないと...!)」

車を土台に更に逃げ込もうとした時だった。


「...」


ベビーカーに乗り大声を上げ泣いている赤ん坊がいた。それも階段をカタカタと下り、その直ぐ目の前には底の見えない割れた穴があった。


「(落ちる...!間に合わない!!)」


赤ん坊に気を取られたその一瞬をトウェインは逃さなかった。


「いただき!」

今度こそ勝利を確信し、敦目掛け銃弾を発射させた。


だが


「なっ...」

「消えた...!?」



敦は消えたと錯覚させる程の素早い足で赤ん坊共々助け抜いた。なんと彼は足だけを虎化させていたのだ。


立ち止まりヒョイと隣を見るとそこにはなんと、ポートマフィアの『黒蜥蜴』の一人立原がいた。

「! てめえは...!」

立原は敦の存在を知っていても敦は立原の存在を知らない。

「すみません!この子、頼みます!」

「はあ!?」

立原をまだ生き残っている民間人と勘違いし、赤ん坊を手渡ししてきたのだ。

「待てクソ探偵社!」

そう叫ぶも敦は人形を持ち走り去った。

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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時

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