【第七十二話】 ページ25
ホーソーンはミッチェルのその変わり果てた姿に驚いた、すると次の瞬間。
「....ホーソーンさん...」
「.....A」
今の今まで顔を合わせる事の出来なかったAに遭遇したのだ。
ホーソーンの中のAといえば、明るく天真爛漫な青年。
そんなイメージであったが、彼の雰囲気は以前と変わりどこか冷めた様なオーラをか持ち出していた。
Aはフルーツバスケットを持っていた、どうやらホーソーンたちに届けに来たそうだ。
フルーツバスケットを机の上に置くと、「大変...でしたね」と苦笑した。
彼はミッチェルを直視していなかった。
「...久しいですね」
「そうだね...出来れば、もうちょっと穏やかな再会がしたかったけど...」
「実は俺、ホーソーンさんに聞きたいことがあって...ちょうど目覚めてたようで良かったです」とAは続けた。
彼は椅子に座ることもせず、立ちながらホーソーンと話した。
「それで、聞きたいこととは?」
「うん...もう少しで団長が来るから、あんまり長くは話せないんだけど.....。
確か、人って死んだら...もう一度転生するんだよね?」
目に光をも入れず、Aはホーソーンに問いた。
「...神の教えでは確かに」
「そっか...うん、分かった。ありがとうございます、ホーソーンさん。俺、どうしてもそれを確かめたくて...」
そう言い林檎をフルーツバスケットから取り出すと「これ、ミッチェルさんと食べてね...美味しいから」とだけ告げると、Aは医務室を出ていった。
──── ───
「よく寝たな、牧師殿」
すると間もなくAと入れ替わる様に団長が姿を見せた。
「フィッツジェラルド様...ミッチェルは」
「重傷だ、二度と目覚めんかも知れんそうだ」
団長は壁にもたれ掛かり、呆れるような顔をした。
「くくく...愚かな女性だ」
団長に便乗する様に、痩せ我慢なのかホーソーンもミッチェルを罵倒した。
「そうなのか?詳しく聞きたいな、現場の意見には興味がある」
「愚かですよ...彼女は最後に私を庇った。
だから私だけ助かったのです」
だがそんな痩せ我慢など長くは通じぬ、彼は一瞬悲しげな顔を浮かべた。
「ミッチェルは『一族の名誉を取り戻す』と言っていました.....なのに何故」
「彼女は一族の莫大な負債を返済し、家名を立て直す為に作戦に参加した。
その夢も今や、消えゆく零泡だが」
「違います」
「...何?」
「消えたのではない、貴方が消したのです。
フィッツジェラルド様」
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時