The story of a world (hsj)

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yt.


ぐるりぐるり。

目まぐるしく浮かんでは消える、色々な場面。

眼前に広がる山、また山。
後ろには、煙突から煙たなびく俺たちの家。

幼い男の子がいる。
男の子を、少し大きな子が一生懸命抱っこしていた。

幸せそうな笑い声が、辺りに響く。



場面が入れ替わる。


男の子は大きくなっていた。
黒髪と黒い瞳は艶やかなままに、身長が伸びた。
しなやかな腕を背後から回し抱き込む。
抱き込む相手は先ほど、自分を抱っこしてくれた子だった。

彼もまた、成長し美しくなっていた。

栗色の髪はまぁるくカットされ、グリーンの瞳が男の子を見つめる。

穏やかに。幸せそうに笑いあう二人。



場面は一転、銀色の髪になった彼(か)の人が、同じ銀髪でグリーンアイの男の腕で幸せそうに微笑んでる。

婚約の儀式を交わした証に、彼の栗色の髪は一房を残し、相手の色に染まってた。
銀髪の婚約者の髪は一房、栗色に変わってる。




成長した俺(・)は、二人を心から祝福しながら。

憧れの人が義兄となる喜びと、大切な大切な家族がもうすぐ離れてしまう寂しさと。

そして、自分にも愛おしい存在ができたことと。
さまざまな想いにかられていた。




幸福というのは、こんなにも近くにあるのだ。
全てを統べるあの方の、少しでも助けになりたい。


突き動かすのは彼への愛。


大切で…何より愛おしい貴方


ヒカル様



俺の唯一無二。









泣かないで



貴方の金色(こんじき)の瞳を、濡らしてしまった俺のためになんて



どうか泣かないで











絶望に囚われた我らが王(・)。





貴方は何処に。

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