The story of a world (hsj)

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yt.



“すきだよ…ユート”
“私も…お慕いしております”
“今は二人きりだろ…そんな言葉使いいやだ”
“可愛い人…あいしてる、がいい？”
“ぅん…”



「んん〜っ！今日もいい天気だなっ」

いのちゃんの声でハッとした。


夢…？

いや、そんな訳はない。
木偶の人形に見る夢はない。

じゃあ…今のは？



「さて、行くか！」

あ、あれっ？いのちゃんいつの間に身仕度したの？？

「昼までには城に着くな！久しぶりに白米食べれる！」

いのちゃん嬉しそう(笑)

“はくまい”はいのちゃんの大好物。

あらゆる領地で獲れるけど、コータのいる地の白米は『メイサンヒン』の一つなんだって。

器に盛られた、白くてツヤツヤのアレのことだよね？
そんなに美味しいのかな…。
食べてみたいなぁ…。

『甘くてうまーい！○○○のとこの白米は絶品だねぇ！』

『ちょっと○○！○○○の分取って置いて！』

『えー？もうないよぉ』

『うそっ！信じらんない！』

『こらこら2人とも。不毛な争いやめとけよ』

『○○○！お前からも何とか言え！』

『へいへい。つか言っても無駄だろ。ご心配なく王。既に炊かせてるおりますゆえ』

『雑！俺の扱い雑！』



つらつらと、蔓のように手繰られてきた会話。しかも虫食い穴のように、一部分が欠如した不自然な。

これは、なに。

僕の中に、在るものなの？

『ぅわ眩しっ』

そうこうするうち宿の外に出た途端、真っ青な空にお日様が早くもピッカリ君臨中。

恐らくまだ早い時間だろうに、辺りは既に明るい。夜風は成りを潜め、熱を孕む空気が空に届く。

ああ…『夏』なんだなぁ…。

確かに、一日ごとにお日様が容赦なくなってく気がするよ…。
今僕ね、日傘背負ってるんだよ。
でも後ろ体重だから、全力で日光浴状態だけどね、あはは…。

ちょっぴり下がってる優しい瞳は、いつでも僕を真っ直ぐ見て、気にかけてくれる。

いのちゃんの瞳の色はねぇ、綺麗なライトグリーンなの。
まぁるい感じに切り揃えられた茶色の髪は、お日様に当たると蜂蜜みたいに光るの。
でも不思議なことに、コータの銀の髪が一房混ざってるんだ。

旅をするいのちゃんに災いが起きないよう、術が掛けてあるんだって。
いのちゃんにキスをする時って、必ずこの一房の髪からなんだよえっろいよねっ。

てゆーかコータってまじ何者？
うんまぁ、王様だけど。

トクンっ。

『おうさま』と思い浮かべるだけで、ないはずの鼓動が跳ねる。


どうして？

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